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杏林生のまち歩き

杏林生がまち歩き! ~ジモトの魅力を発信~⑤
コミュニティブックカフェ ― 「みたかのば -mitaka nova-」

2019.11.11

杏林大学総合政策学部の進邦ゼミが、地域の魅力的なスポットやお店、活躍されている人や団体をご紹介していくこの企画。
第5回は、今年(2019年)3月に下連雀4丁目にオープンしたコミュニティブックカフェ「みたかのば -mitaka nova-」をご紹介します。
今回の聞き手は、ゼミの指導教官の進邦徹夫教授。今注目されている空き店舗や空き家のリノベーションの取り組みとして、まちづくりの事例調査も兼ねての取材です。
個人で設計事務所を営みながら店主を務める一級建築士の淺野雄太さん、カフェのマスターである千葉清さんのお二人から、お話を伺ってきました。

静かな、でも賑やかな空間

住宅街の道路をうろうろしていると、2階建てアパートの1階に「みたかのば」はありました。店内に入ると、右手にカウンターとテーブル席があり、左手はフリースペースになっていて、その壁一面が書籍やクラフトの並んだ棚になっています。また、奥にはくつろげる雰囲気の畳の部屋も。
リノベーションされる前は、カウンター席のほうがスナック、フリースペースが小料理屋で、お店の間の壁を取り払って現在のような空間に仕上げたのだそうです。
また、以前の店舗の備品でも、状態の良かったものはきちんと活用されています。カウンターとその椅子、ソファなどがそうで、いい感じにレトロな雰囲気を醸し出しています。
普段は、マスターの千葉さんによるハンドドリップコーヒーのカフェ、店主の淺野さんによるセレクトショップ的な書店として、静かな雰囲気で営業しています。一方で、コミュニティスペースとしてイベントが行われる際には、世代をこえた多様な人々が賑やかに集い、いわば「静」と「動」の入り混じった面白い空間になっています。

フリースペースと壁一面の棚。ここで様々なイベントが展開される

オープンに至るまで ― 「コミュニティ+ブック+カフェ」

もともとは大手の設計事務所に勤めていた淺野さん。住宅のリフォームのお仕事を多く手掛けてきたこともあって、今ある建築を再生して価値を高め、地域を活性化していく「リノベーションまちづくり」に強い関心を持っていました。
そうして、建築関係者やクリエイターの人たちがチームを組んで実践的に学ぶ「リノベーションスクール」というプログラムに参加していたところ、お題として課せられたのがこの建物でした。
その後、「カフェとイベントスペースとで、まちの中で人と人をつなぐ場に」という活用提案がオーナーさんに認められ、自身が店主になることに。そこで2018年3月から地域の人々を巻き込んだワークショップなどを行い、具体的なプランを磨き上げていきました。そして、その参加者の一人が、マスターの千葉さんだったのです。
千葉さんは、「みたかコミュニティ・コーヒーマスター(CCM)」というユニークなコミュニティ活動のメンバー。地域のイベントに淹れたてコーヒーのブースを出し、コーヒーを通したコミュニケーションの活性化に取り組んでいます。
ちょうど活動拠点を探していた千葉さんがカフェの担い手になることになり、ワークショップで「本を通して人をつなぐ」というアイデアが加わったことで、「コミュニティブックカフェ」という新しいスタイルが誕生しました。

千葉清さん。CCMの活動で地域活動デビューしたところ、不思議なご縁でマスターに

半年で40近く ― ジャンルに縛られない多彩なイベントを展開

そうして2019年3月にスタートし、半年余りが過ぎました。
書店としては、recommended(おすすめ)とrecording(記録)を合わせた「RECO BOOK」という取り組みを展開。お客さんがイチオシの書名とお勧めする理由、その本への思いをカードに書き込むと、そのカードとともにオススメ本が店頭に並ぶという、本とともに思いもつながる仕組みになっています。
イベントスペースとしては、メロンパン講座や三鷹野菜を使った食のイベント、プロの落語家さんによる寄席、ギター教室、ハンモック製作やハーバリウムづくりのワークショップなどなど、なんと40近いイベントが開催されてきました。(取材日10/11時点)
そうしたイベントに参加した人たちが、新しい活用法を提案してくれるという流れも生まれています。10月上旬には、ギャラリーとして活用したいという美大生からの提案を受け、10日間にわたって作品展を開催。会期中には、参加アーティストとの交流の場「art BAR」も開催されました。

空間に溶け込むように、若手アーティストの作品が展示されていました

何かしたい人にとっての、始まりの場に

こうして集う人が増え、場としての可能性が広がっている「みたかのば」。これからの方向性を伺うと、ちょっと意外な答えが返ってきました。淺野さんや千葉さんが主体となってどんどん新しい動きを起こしていくのかと思いきや、自分たちから積極的にイベントや事業を仕掛けていくつもりはないと言います。
「本当はターゲットを絞ったほうが集客や収益にはつながると思います。でも、そうすると、どうしても『ここはこういう場』という色がついてしまいます」「そうではなく、じわじわと時間をかけてでも、自分から何かしたいという人が気軽に使える『場』に育てたいのです」とお二人は語ります。
上映会や読書会、コーヒーの焙煎など、それぞれやりたいことはたくさんあるものの、あくまで場の運営者として、地域に何かを提供したい人、新しいことを始めたい人を後押ししていくという姿勢を感じました。

店主の淺野雄太さん。学生時代を三鷹で過ごしたことで、この物件に強く惹かれたそうです

取材中も、「みたか太陽系ウォーク」のスタンプを押しに、次から次へと親子連れや年配の方が訪ねてきて、「なんのお店だろう?」といった面持ちで、本棚やイベントのチラシを興味深く眺めていきました。ここからまた、これまでの半年とは異なる利用者が生まれて、さらに多彩な場に育っていくことと思います。
「みたかのば」のローマ字表記は、「mitaka no va」。novaとは英語で「新星」を意味します。地域にキラリと輝く「場」となるように、みんなでこの新しいチャレンジを応援し、活用していきたいですね。

みたかのば -mitaka nova-

【住所】
三鷹市下連雀4-6-7(JR中央線三鷹駅南口より徒歩10分)
【営業時間】
午前11時から午後6時 (定休日:月・火 *日曜は不定期営業)
※詳しくはWEBサイトに掲載のカレンダーをご確認ください
【URL】
http://www.mitakanova.jp
https://www.facebook.com/communitybookcafemitakanova/

撮影:T.Miura

このシリーズについて

アトレヴィ三鷹と連携している杏林大学の現役学生のみなさんが、地域の魅力的なスポット、ヒト・コト・モノを発信していく連載です。
担当するのは総合政策学部総合政策学科の進邦(しんぽう)ゼミのみなさん。
行政学や地方自治が専門の進邦徹夫教授のもと、地域でのフィールドスタディなどを通して、広くまちづくりや地域活性化について学んでいます。

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